Friday 19 October 2012

「何かをしようとすると,一人ではできないんです。」 山中伸弥教授


200711月,世界をゆるがす大きなニュースが京都から伝えられた。京都大学教授,山中伸弥教授の研究チームが人の皮膚細胞から「万能細胞」を作り出すことに初めて成功したというものだ。そして,201210月,ノーベル医学生理学賞が山中教授とイギリス,ジョン・ガードン博士に贈られることが決まった。


多くの病気や怪我は,外から元気な細胞を移植することで治療することができる。この細胞移植療法への期待は高く,中でも切り札として注目されてきたのがES細胞(胚性幹細胞)と呼ばれる万能細胞であった。この細胞は,身体に存在する様々な細胞へ分化できる多能性を維持したまま,ほぼ無限に増やすことができる。とりわけパーキンソン病や糖尿病患者に移植する細胞をここから準備できることが期待されていた。しかし,このES細胞は受精卵を破壊して作るといううえで倫理的な課題が残るだけでなく,この細胞を使った細胞移植療法には拒絶反応が出る可能性が高いという課題も存在していた。

「胚を見たとき,私は突然,この胚と私の娘たちとの違いはごくわずかなものだということに気づいた。自分たちの研究のために胚を破壊し続けることはできない。他に方法はあるはずだ」。

今回山中教授率いる研究チームが発見したiPS細胞は,成人の皮膚の遺伝子に3つの遺伝子を導入することで樹立した細胞である。この細胞は先のES細胞と同様に,分化多能性を維持したまま大量培養が可能であり,受精卵を利用しないことからも倫理的な問題を解決するものとなった。さらに,患者自身の皮膚細胞から作ることができれば,拒絶反応も回避できる可能性が高くなる。この研究成果に至るまでに,教授自身と彼の研究チームが歩んできた道のりを山中教授は次のように語っている。

「野球の打率は3割あればいい方だが,研究は1割でも優秀。つまり9割は上手くいかないということ。その状況に耐え,粘り強く研究を続ける心構えは,「人間万事塞翁が馬」ということばにある。失敗に見えることが実はすばらしいことの始まりかもしれない。実験の多くは失敗に終わる中,『だからやらない』ではなく,『もしかしたら成功するかも』と考えるようにしている。この期待を持ち続けながら失敗の連続に耐える日々を支えるのは,同じ目的に向かって歩む研究室のメンバー。研究室のメンバーを誇りに思っている。一人では途中で諦めてしまうかもしれないが,メンバーが努力を重ねる姿を見て,自分も一生懸命がんばろうという思いになる」。

だからこそ,研究チームのメンバーは互いにライバルではなく,喜びと苦しみを分かち合う仲間であり,彼らが良い結果を出した時が一番嬉しいと言う。山中教授の探究は,相手がいて,そして同じ目的に向かってともに歩む仲間がいる人間的な探究と言えるだろう。


prof. Yamanaka(Kyoto university)
prof. Yamanaka won the 2012 Nobel Prize in Physiology or Medicine. His studying policy is doing togeather. He said that his team mates are not rivals but friends, so they share goodthing and badthing. He always say we cannot do anything without friends who can work same purpose.

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